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コラム

禅の世界に導かれて、からとまり迷い道

最終更新日 : 2025年8月18日

Into the ZEN
禅の世界に導かれて

ルート54は今津から二見ヶ浦への海岸線を沿い、その中程にある北崎公民館を過ぎると山あいに向きを変え、長く緩やかな坂を形成し始める。その坂のはじめに青々とした生垣と白壁が見えてきたら、そこが徳門寺だ。

鎌倉時代に栄西禅師が博多に聖福寺を建立し、この半島の地に龍雲庵なる小さな寺を開いた。これが後に徳門寺(ふりがな・とくもんじ)と改められ、京都で修業を積んだ庭師が日本庭園を造った。この見事な枯山水は、福岡西海岸きっての日本の美の光景であり、その日の門が開いていれば見学も出来る。

住職の天野徳道さんはユーモア溢れる方で、この日は楽しいお話と共にお茶を点てて下さった。現在は不定期だが座禅会も催されていて、多くの人が禅に触れる機会を作っている。


Tokumonji Temple
徳門寺

Instagram:tokumonji0016
福岡市西区宮浦1930(→地図
TEL:092-809-2817
バス停:宮の浦

歴史ロマン溢れる唐泊集落に迷い誘われ

天野住職の案内で一路、唐泊集落へと向かった。ここにも栄西禅師が建立した寺があるという。車道から一本入ると、古い木造の集落が森のように広がって、自転車の往来も困難なほど細い坂道が、まるで迷路のように入り組んでいた。数分ほど坂を登ったところでようやく空が開け、前を歩く住職にうながされて振り向くと、眼下に唐泊漁港を抱くように博多湾が広がり、右手に美しい今津湾が弓形に伸びている。

同じこの景色を古く奈良時代に見た旅人が『からとまり 能許の浦波 立たぬ日は あれども家に 恋ひぬ日はなし』(唐泊から見た海は静かだけど我が家のことを想わない日は無い)と旅情を詠んだ歌が、かの万葉集に収められている。歴史ロマン溢れる唐泊集落に是非、迷い誘われてみてはどうだろうか。


Torinji Temple
東林寺

福岡県福岡市西区宮浦357(→地図
バス停:宮の浦